派遣社員の質問箱
契約の内容と異なる業務や残業を命じられた場合
まず、業務の場合ですが会社の仕事は様々な業務が組み合わさって成り立っています。従って、あなたの業務も契約で定められた業務以外にそれと関連する、あるいはそれと連続している業務を命じられることはあると思います。また、派遣先での人間関係を円滑にするために契約以外の業務でも協力する気持ちで臨むことは大切なことです。ただし、命じられた内容が著しく異なる(経理事務なのに秘書業務というように)場合や、内容の相違は小さくてもそれが長期に渡って命じられている場合などは、派遣先の指揮命令者または派遣先責任者へ確認と相談をしてください。派遣先に言いにくい場合や派遣先に申し出ても改善が図られない場合は、速やかに派遣会社に相談してください。次に、残業の場合ですが基本的な考え方は業務の場合と同じです。あなたが命じられた残業に対応できるときは、出来るだけ、協力する姿勢で臨む方が良いでしょう。ただし、「残業が全くない。」ことが就業の条件となっているときや、残業時間が労働基準法を逸するようなときには、派遣先および派遣会社に相談してください。
派遣先の業績悪化により契約の解消を申し渡された場合
派遣契約と雇用契約はそれぞれ独立した別の契約です。派遣契約は商事取引であり、当事者は派遣会社と派遣先会社です。契約の目的は、派遣会社が雇用している労働者を派遣先会社に派遣し、派遣先会社が派遣会社に派遣料を支払うというものです。これに対し、雇用契約は労働契約で、当事者は派遣会社と労働者になります。労働者は派遣先会社で働き、派遣会社から給料を支払われます。2つの契約には関連性はありますが、別の契約であるため、一方の契約が消滅したからといって、直ちにもう一方の契約も消滅するということにはなりません。
派遣会社が一方的に雇用契約を解消するのは「解雇」になります。解雇には(1)30日以上前の予告か30日分以上の予告手当の支給(労働基準法20条)(2)解雇しなければならない「やむを得ない理由」(民法628条)が必要です。
本事例は、解雇の告知と考えられますが、派遣先の業績悪化で派遣契約が打ち切られても、直ちにスタッフを解雇をしなければならない「やむを得ない理由」にはなりません。従って解雇は無効で、雇用契約は存続します。派遣会社はスタッフに次の派遣先を照会し、派遣先が無い場合は休業手当を支払わなければなりません(労働基準法26条)
時給の値上げ交渉をする場合
派遣スタッフの時給は、派遣スタッフと派遣会社との労働契約の重要な内容です。従って、時給値上げの交渉は、労働契約の当事者である派遣スタッフと派遣会社との間で行われるものです。つまり、派遣会社が派遣先の意向を基に決めるものでは有りません。派遣会社が派遣先から受け取る派遣料は、派遣会社が派遣スタッフに支払う賃金の原資となるものですが、派遣料それ自体が賃金というわけではありません。従って、派遣元の対応は適切なものではありません。また、派遣スタッフも賃金に関し派遣先と交渉すべきものではなく、派遣元と交渉しなければなりませんが、派遣先から聞いた内容を派遣元に伝えてみるのも良いでしょう。
